コレガスインタビュー

プロフィール
澤部 栄介 (さわべ えいすけ)
宮城県仙台市出身。父親が地元仙台にてフレンチレストランを経営していたこともあり、自然な流れで飲食業界に入る。東北高等学校卒業後に上京し、御茶ノ水の山の上ホテルの洋食レストランで9年間勤務。その後、エメ・ヴィベール(フレンチ)及び同系列のカフェ・エメ・ヴィベールにて勤務し、2011年4月にEVERBREWに入社。プティデリリウムタップカフェ、セント・ベルナルデュス、デリリウムカフェトーキョーを経て、2015年5月よりデリリウムカフェGINZAで料理長を務める。セント・ベルナルデュス、デリリウムカフェGINZAでは立ち上げにも携わった。

「1.EVERBREWに入社したきっかけを教えてください」

御茶ノ水の山の上ホテルで働いていた頃、すぐ近くにベルギービールのレストランがあったんです。初めてその前を通った時は、一体何のお店なんだろう、店頭に置いてあるのは何のボトルなんだろうとすごく興味を惹かれました。ベルギービールのボトルって独特じゃないですか。あとシメイのビールラックが置いてあったのもよく覚えています。勇気を出して入ってみて、ビールを飲んでみたらすごい衝撃を受けまして。気づいたら通うようになってましたね(笑)。特に修道院ビールの歴史とその味わいに感銘を受けました。
その後、2010年にフランス旅行に行った際にベルギーにも行ったんですが、グランプラスで飲んだ本場のビールがほんとに美味しくて。そこからどんどんベルギービールにのめり込んで、帰国後に、当時オープンしたての新宿のプティデリリウムタップカフェに通うようになったんです。そこにお客さんを巻き込む名物店長がいまして、彼に自分から働かせてくださいと言ったのがきっかけです。ホテルで働いていた時は厨房だったので、表が見えなくて、ビストロやビアカフェのような場所でお客さんの反応を直接見たいと思っていたのもきっかけの一つでした。

「2.仕事の面白い部分、難しい部分を教えてください」

やっぱり店舗の立ち上げが好きです。最初は何から手をつけていいのか、分からないことだらけなんですが、みんなで団結して一から形を作っていくのにすごくやりがいを感じます。実際終わってみると反省点しかないんですがね(笑)。神田のセント・ベルナルデュスの立ち上げの時は、お店の参考にと、社長に中目黒の有名なビストロに連れていってもらったことを今でもよく覚えています。それはもう夢のような空間でしたね。
難しい部分は…、また新店の立ち上げなんですが、社長が描いているイメージにいかに近づけるか、という点です。デリリウムカフェGINZA店のオープン時は、なかなかクレームブリュレのOKを頂けなくて…。スプーンの背中でパンパンと表面が割れるくらい、強くキャラメリゼして欲しいと言われて、何度も試食してもらったんですが、結局レセプションでも違うと言われてしまいましたね(笑)

「3.お客様(仲間)との忘れられないエピソードはありますか?」

うちの父が、昔東京のフレンチレストランで働いていた時の元同僚が、最近お孫さんを連れてお店に来てくれるんです。お孫さんは赤身肉が好きとのことで、いつもお肉を楽しみにしてくれています。実はその方には、自分が初めて上京した時に、東京でレストランに連れて行って頂きました。フレンチレストランやビストロなど色んなところに一緒に行きましたね。「銀座」という場所を知ったのも、その方に連れて行ってもらったのが最初です。この仕事をやっていて、父から子へと、こうやって世代を超えて、お客様との繋がりを持ち続けていけるというのが嬉しいですね。

「4.これから挑戦してみたい仕事は何ですか?」

いま練馬の郊外に住んでるんですが、練馬は緑地化計画も進んでいて、畑や牧場なんかがいっぱいあるんです。うちの目の前は大根畑とキャベツ畑ですし。この地域には良いものを作ってる人が沢山いるので、そういう人達を応援して、地元に貢献出来たらと思っています。練馬や、西武線沿線上の「いいもの」を都心のお客様に届けられるようなパイプ役みたいなことが出来たら嬉しいですね。例えば野菜やフルーツをお店やイベントで提供したりなど、何か出来ると思うんです。このことは、この土地に引っ越してきてから、ずっと考えてますね。朝起きて、畑の間を自転車で走って通勤しているとこういうことを考えるんです。あと、逆にここで農産物を作っている方たちにも、お店のことを知って頂きたいですね。

「5.プライベートはどのように過ごしていますか?」

この仕事を始めてから歴史や古いものに興味を持ち始めまして、例えば音楽だったらレコード、ファッションだったらヴィンテージとか、そういうのを週末は見て回っています。神保町の古本屋でジャンル関係なしに本を読んだり、ヴィンテージショップで何十年も前の服飾品を見たりするだけでも面白いですね。一日中レコードを漁ってる日もあります。音楽は基本的にロックが好きで、 ビートルズやザ・フー、ローリングストーンなどを聴きますね。こんな感じで古いものが好きなので、それを吸収することによって、そこに今のトレンドを吹き込んで何か活かせないだろうかというのを日々模索しています。あと、音楽やファッションだけじゃなく、料理もそうなんですが、何十年か前に流行ったものがまた再流行したりするので、そういうサイクルを見つけて楽しむのも好きです。

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